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プロジェクト全体が山のように見えても、細分化し、
手近な目標を立てていけば、確実に進められる。
 

能は世界最古の総合舞台芸術で、西洋のオペラとよく対比されますが、日本文化のなかで継承されてきたこの「能」の世界の中に、私たちがもっている「心のなかのヤマト」、日本独自のもののとらえ方や感じ方が潜んでいるのではないかということでお話を伺いました。

(聞き手 ライジングクラウド 文化キャスター森 昭子)

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勝海登氏(重要無形文化財総合指定保持者)プロフィール
1950年 東京都台東区根岸に生まれる
1963年 能楽の稽古を始める
1973年 國學院大學文学部日本文学科卒業
1975年 人間国宝の藤田大五郎・鵜澤寿・亀井忠雄の各師に能楽囃子を師事する
1980年 東京芸術大学音楽学部能楽専修科卒業
東京芸術大学において観世流宗家 観世左近師及び藤波重満師に師事する
1983年 フランス特別公演に参加する ( パリ・リヨン・リール・ベルフォール・グルノーブル )
1984年 観世元昭家を独立し準職分の認定を受ける
1987年 訪印観世流能楽団に参加する ( インド・ニューデリー )
1988年 オーストラリア公演に参加する ( パース・メルボルン・アデレード・シドニー )
2001年 国の [ 重要無形文化財総合指定保持者 ] の認定を受ける。
2007年 高津紘一師の [ 能面を打つ ] (玉川大学出版部) に勝海家所蔵の能面とそれを使用した舞台写真が掲載される
2010年 イタリアの [ コメディアン・デラルテ ] 主催による [ 仮面 東洋ー西洋 ] に参加し、アバーノテルメのポリヴァレンテ劇場において半能 [安達原]と [土蜘蛛] を舞い、仮面作家ドナート・サルトーリ師と俳優のファビオ・マンゴリニー師との親交を深める
2012年 追悼 高津紘一師 [ 一芸の花 ] を出版する
2013年 日本文化海外普及協会の顧問に就任する
2014年 和の祭典 [ 然 ] 公演を企画・プロデュースする
「世界の仮面 100面展」を企画・プロデュースする
モスクワの日本国大使館で能「羽衣」を所演する
カザフスタン(アスタナ)のカザフ国立芸術大学とアルマティの民族楽器博物館において、
能「松風」と「巻絹」を所演する
カザフ国立芸術大学の客員教授に就任する
2015年 長野県戸隠神社の「式年大祭」に 能「巻絹」を奉納する
カザフスタンのアスタナ・アルマティ及びキリギス共和国において
能「羽衣」能舞「宙の舞」半能「船弁慶」を所演する
2015年現在 能楽協会会員 日本能楽会会員で、観世会に所属し[ 勝海観勝会 ] 及び [ 海の会 ]を主催する
( 開 曲 ) [ 翁 ]の千歳 (1985) ・ [ 石橋 ] (1990)・ [ 猩々乱 ] (1993) ・[ 道成寺 ] (1996) ・
[ 石橋 ] (1995-1999-2000) ・ [ 望月 ] (2004) ・ [ 砧 ] ( 2014 ) 他

「静」と「省略」に象徴される「能」の奥深さ

「能」とは?

能は、継承されている演劇としては「世界最古」といわれる日本独自の舞台芸術で、600年以上の歴史があり、2008年にユネスコの世界無形文化遺産に指定されています。お芝居のみならず、舞いや歌の要素ももつ音楽劇であり、西洋のオペラと対比されたりもしますが、同じ音楽劇でもその違いには目を見張るものがあります。また、能面をつけて演じられるという点で、仮面劇ともいえます。

能の大成者、世阿弥(ぜあみ)は、日本の演劇史上、最も重要な人物のひとりですが、世阿弥が、独自の芸術論である『風姿花伝』を著したのは、シェークスピアが登場する200年近くも前のことです。

さて、能は完全な分業からなりたつ演劇で、謡と演技を担当する立方(たちかた)と伴奏担当の囃子方に分かれています。また、能では、主人公を「シテ」と呼び、演じる役柄は、天狗や龍神など超自然的な存在の場合もあります。能は「シテ中心主義」とも言われ、シテは一曲の主役であると同時に演出家でもあり、奏演者のキャスティングやどう演出するかなど演目全体の決定権をもっています。世阿弥が総合プロデューサーとして天才的手腕を発揮したのもそのゆえんでしょう。

ゲストスピーカーの能楽師 勝海 登さんも 観世流シテ方であり、「海の会」などを主宰され、能公演の企画プロデュースもされています。

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●「能面」の繊細さ

*「能面」は、室町の頃から、演者により受け継がれるもので、何人もの演者の汗が能面にしみこんでいるそうです。
演者が自分を殺し、その役の個性を演じる能において、その演者の魂は「能面」にこもるはず。その「想い」まで何百年の時を経て受け継がれているのではないでしょうか。とても美しい芸術品ともいえますが、やはり、演者によって使われてこそ、魂が宿り無限の可能性が広がるものだそうです。
*しおる(泣く)表現にみる省略の美 両手を顔の下に持っていく、これも大げさ。では片手ではどうか、これも大げさ。
究極、「能面」の角度を少し下に傾けるだけ。これで悲しみを表現するのが「能」。
舞台も演者も省略できるところは省略し、観客に自由に感じ読み取ってもらうそうです。
説明しすぎない、芸術というものは本来そういうものかもしれないと思いました。

●「時空」を超える
*舞台で何も動きがない時間があるそうです。時間にして約10分間。この間、演者は100年の時を超えており、距離にして何千キロを超えているのだというのですから、本当に時間空間の幅が想像を遥かに超えていることに気がつきました。
*動きのない中で、演者は、瞬き一つしないほどのエネルギーを溜める、それはむしろ動きがある時よりもエネルギーを使うのだそうです。それは「静」のなかにこそ「力」が宿る日本的な「力強さ」を感じさせてくれました。

●99%が決められた芸術
*2500の演目は長い時間をかけて250に集約され、舞台での歩き方、能面をつける角度、そのほとんどは約束事だそうです。残り1%も自分の個性ではなく、その役の個性を演じるよう努めるのみ。そこには、伝統の確かさとむしろ自分を殺して演じようとするなかにこそ、その演者の個性がそこはかとなく役の個性を邪魔することなく、にじみ出るのではないか、これもまた日本の個性ではないかと….

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